弓道を学んでいる方の中で、「平付け」に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
平付けとは、射法八節の「会」の段階で馬手が前を向いてしまう現象のことを指し、初心者から経験者まで、幅広いレベルで見られる射癖の一つです。
この平付けが発生すると、矢が正確に飛ばなくなり、命中率が下がる原因にもなります。
本記事では、弓道における平付けの原因を解説し、その改善方法や効果的な捻りのコツ、射形を安定させるためのポイントについて詳しくご紹介します。
平付けを克服し、弓道の技術を向上させたい方に向けた内容となっていますので、ぜひ参考にしてみてください。
弓道の平付けの原因と改善方法
弓道における「平付け」とは、射法八節の「会」の段階で馬手（引き手）が前に向いてしまう状態のことを指します。これは、弓道において非常に一般的な射癖であり、初心者だけでなく経験者でも悩まされることが多い問題です。平付けが起こると、射の精度が低下し、矢の軌道が不安定になるため、弓道の上達に大きな影響を与えます。
平付けが発生する主な原因は、弓の抵抗力に負けてしまうことです。特に、大三から引き分けにかけて、弓を引く際の捻りが甘くなると、結果的に馬手が前を向いてしまい、平付けが発生します。力の入れすぎや、捻りが不十分な状態では、手首がつぶれてしまい、平付けを引き起こします。
改善方法としては、まず捻りを意識することが重要です。馬手と弓手を正しく捻ることで、弓の抵抗に負けずに引くことができます。また、力を抜いて、リラックスした状態で弓を引くことが平付けを防ぐための重要なポイントです。
平付けとは？基本的な定義を解説
平付けとは、弓道の射法八節の中で「会」に至ったとき、馬手が正面に向いてしまう状態を指します。具体的には、馬手の甲が外向きになるべきところが、弓の力に負けて前を向いてしまい、結果として射形が崩れることを意味します。この平付けが起こると、離れのタイミングや力の伝わりが不正確になり、矢が的に正しく飛ばない原因になります。
初心者だけでなく、経験を積んだ射手でも平付けの問題に直面することがあります。平付けは一見すると小さな射癖に見えますが、実際には射形全体に影響を与え、弓道の精度を大きく損ないます。
平付けが起こる原因は、馬手の捻り不足や、弓を引く際に手首や肩に余分な力が入ることです。特に、捻りが十分に行われないと、弓の強い抵抗力に負け、馬手が前を向いてしまいます。
平付けにならないための捻りのコツ
平付けを防ぐためには、正しい捻りをしっかりと身につけることが最も重要です。射法八節の大三から引き分けにかけて、馬手と弓手を適切に捻ることで、平付けを回避できます。
具体的には、馬手の甲を天井に向けるようにし、その状態を「会」に至るまでしっかりと維持することが大切です。弓手は体の内側に捻る（時計回り）、馬手は反時計回りに捻る動作が必要です。このとき、雑巾を絞るように軽く捻るイメージを持つとわかりやすいでしょう。
注意点として、手首だけで捻るのではなく、肘や腕全体で捻ることが重要です。手首だけに力を入れてしまうと、平付けが発生しやすくなります。腕全体で捻ることで、力が均等に分散され、無駄な力みを避けられます。
平付けを防ぐための大三のポイント
大三（だいさん）は、射法八節の中でも平付けを防ぐために非常に重要な段階です。大三での正しい姿勢と捻りを身につけることで、平付けを効果的に防ぐことができます。
大三では、まず馬手をしっかりと捻り、馬手の甲が天井を向くように意識します。この捻りの角度を、引き分けを行うときに崩さないように維持することが大切です。ここで力が抜けてしまうと、弓の抵抗力に負け、平付けが発生します。
また、大三の段階で肩に力が入りすぎないよう注意することも重要です。肩に余分な力が入ると、腕の動きが制限され、結果として捻りが不十分になる場合があります。リラックスした状態で弓を構えることが、平付けを防ぐポイントです。
正しい取懸とその重要性
取懸（とりかけ）は、弓道において非常に重要な動作であり、正しい取懸ができていないと平付けが発生する可能性が高まります。取懸とは、弦に指を掛けて引く動作のことで、これがスムーズに行われないと引き手に無駄な力が入り、射形が崩れる原因になります。
正しい取懸を行うためには、親指に余分な力を入れすぎないようにすることがポイントです。特に、親指に過度な力が入ると、手首がつぶれやすくなり、平付けを引き起こします。正しい取懸ができると、弦の回転をしっかりと受け止め、安定した射が可能になります。
また、取懸が安定していると、矢束までしっかりと引き分けることができ、平付けの発生を防ぐことができます。取懸は弓道の基本動作の一つであり、正確に行うことで全体の射法が改善されます。
三ツガケと四ツガケの違いと注意点
弓道において使用する弽（かけ）には、三ツガケと四ツガケという2種類があります。これらは、使い方や特徴が異なり、平付けに対する影響も異なります。
三ツガケは、中指で親指を支える形状になっており、力が入りやすい反面、平付けが起こりやすいという特徴があります。一方で、四ツガケは薬指で親指を支えるため、より安定した取懸ができ、力みが少なくなります。その結果、平付けが起こりにくいとされています。
どちらの弽を使うかは個人の好みや射法に依存しますが、平付けが気になる方や力みやすい方は、四ツガケを試してみることをおすすめします。自分に合った弽を選ぶことが、正しい射形の維持につながります。
平付けが起こりやすい人の特徴
平付けが起こりやすい人には、いくつかの共通した特徴があります。まず、引き手に過剰な力が入っていることが挙げられます。特に、初心者に多く見られる傾向で、弓を強く引こうとするあまり、手首や腕に余分な力が入り、結果的に平付けになってしまうことがあります。
また、体格や骨格によっても平付けが起こりやすい場合があります。例えば、手首や肘の柔軟性が低い人は、正しく捻ることが難しく、平付けが発生しやすくなります。
このような特徴を持つ人は、弓を引く際の力の入れ方や、捻りの動作をより意識的に行う必要があります。リラックスした状態で弓を引くことを心がけ、余分な力を抜くことが、平付けの防止に役立ちます。
力みをなくして平付けを防ぐ方法
平付けを防ぐためには、力みをなくすことが重要なポイントです。弓道では、余分な力を入れることで射形が崩れ、平付けの原因となることが多くあります。特に、引き手に過剰な力が入ってしまうと、手首がつぶれてしまい、結果として平付けが発生します。
力みをなくすためには、まず肩や腕、手首に余計な力が入っていないか確認することが大切です。弓を引く際には、必要最小限の力で弦を引くことを心がけ、全身のバランスを意識しましょう。
また、弓を引く際に深呼吸を行い、体全体をリラックスさせることも効果的です。リラックスした状態で射を行うことで、自然な動きができ、平付けを防ぐことが可能になります。
平付けによる射形の影響とは
平付けが起こると、射形にさまざまな悪影響が出ます。まず、平付けが発生すると、矢の飛び方が不安定になり、命中率が低下します。また、離れの動作がスムーズに行われなくなり、弓返りも不十分になるため、結果として射法全体が乱れてしまいます。
さらに、平付けが癖になってしまうと、弓道の上達が遅れ、正しい射形を身につけるのが難しくなります。正確な射形を維持するためには、平付けを早期に改善することが重要です。射形が安定すれば、命中率も向上し、弓道全体の技術向上に大きく寄与します。
まとめ：平付けを改善して弓道を上達させよう
平付けは弓道において初心者から経験者まで多くの人が直面する射癖です。しかし、正しい捻りや取懸の技術を身につけることで、平付けは改善することができます。まずは、大三での姿勢を意識し、手首や肘を正しく捻ることが重要です。また、力を抜いてリラックスした状態で弓を引くことも、平付け防止に大きな効果を発揮します。
平付けを改善することで、弓道全体の技術も向上し、命中率も上がります。この記事を参考に、日々の稽古に取り組み、正しい射形を身につけましょう。